第24回「DOMANI・明日展」開催に向けて——地域展開への挑戦

文化庁は、将来に日本の芸術界を支える人材育成のため、若手芸術家等が海外の関係機関等で行う研究を支援する「新進芸術家海外研修制度(在研)」を1967年度から実施しており、すでに半世紀を経過しました。美術分野では、そうした研修の成果発表の機会として、1998 年から「DOMANI・明日展」を開始しました。第1回から第10回までは安田火災東郷青児美術館(東京、2005年に損保ジャパン東郷青児美術館、2021年にSOMPO美術館に改称)で、第11回から23回までは国立新美術館(東京)で年に一度のアニュアル展として催し、途中からは「DOMANI・明日展 plus」などで地方会場やオンラインでの開催も加わり、次第に活動の幅を広めてまいりました。

一方で、新型コロナ禍の拡大と長期化は在研制度とDOMANI展にも様々な影響をもたらし、第24回目を迎える今年度のDOMANI展は、例年の国立新美術館における大規模展開催がかなわない状態となりました。そこで今回は、従来から実現の機会を探ってきた地域展開に挑みます。これまで「在研生」の出身地、在住地、活動地などでゆかりのある地域や美術館に声がけし、5つの「場所」から賛同をいただきました。それぞれ芸術系大学や現代美術を志向する美術館などがあり、本制度やDOMANI展と親和性があります。企画自体はそれぞれの館等に委ねつつ、2000年前後から近年までの在研生を組み合わせた、新鮮な企画――展覧会やワークショップになっています。

このうち「DOMANI plus」は従来の「DOMANI・明日展 plus」シリーズを踏襲した中・小規模の企画展、「and DOMANI」は各開催施設の自主企画に連動する特別プログラムです。本開催がそれぞれの地で在研制度とその経験者の表現にふれていただく機会になり、未来の「在研生」との出会いの機会になることを願っています。

なお、年度末に5会場分の成果をとりまとめたカタログを刊行予定です。さらに、この機にかねてからの課題であった、アーカイブ作業も進めます。すでに展覧会ウェブサイトで過去展の会場写真等をアップしてまいりましたが、この機に第1回展から23回展の記録集を刊行します。

コロナ禍の先行きが不分明ななか、イレギュラーな一年を過ごす「DOMANI・明日展」となりますが、 展示と出版をあわせた積極的な活動にご期待ください。
全体監修 林洋子(文化庁 芸術文化調査官)
2021年8月

DOMANI plus

2015年以降、地方会場やオンライン等で展開してきた、中・小規模ながら、テーマ性のある企画展です。


石巻会場(展覧会)

展覧会名
DOMANI plus @石巻
会期
2022年2月下旬~3月下旬
会場
旧観慶丸商店(宮城県石巻市)
主催
文化庁
出品作家
志賀理江子(作家HP
1980年生 現代美術【2007年度(1年研修) イギリス/ロンドン】ほか調整中
キュレイション
清水チナツ
1983年生 アートマネージメント【2019年度(1年研修) メキシコ/オアハカ】

愛知会場(展覧会)

展覧会名
DOMANI plus @愛知
会期・会場
2022年1月18日〜1月23日 愛知芸術文化センター
2022年1月18日〜3月中旬頃まで 名古屋市港区のまちなか
主催
文化庁、国際芸術祭「あいち」組織委員会、港まちづくり協議会
出品作家
調整中(10月以降に公表)

and DOMANI

この度スタートする新しい枠組。各文化施設の企画にDOMANI展がコラボレーションしていきます。


京都会場(展覧会)

展覧会名
CONNECT⇄ 」 and DOMANI @京都
(文化庁「障害者等による文化芸術活動推進事業」関連プログラム)
会期
2021年11月30日(火)~12月19日(日)
会場
京都府立図書館
主催
文化庁、京都府立図書館
出品作家
宮永愛子(作家HP
1974年生 現代美術【2007年度(1年研修) イギリス/エジンバラ】

広島会場(展覧会)

展覧会名
「どこかで?ゲンビ」 and DOMANI @広島
(広島市現代美術館 館外展開プロジェクト「どこかで?ゲンビ」関連プログラム)
会期
2021年11月〜2022年1月のあいだの一ヶ月程度
会場
広島市内
主催
広島市現代美術館、文化庁
出品作家
村上友重(作家HP
1980年生 写真【2018年度(1年研修) オランダ/アムステルダム】
黒田大スケ(作家HP
1982年生 彫刻【2018年度(1年研修) アメリカ/フォートワース】

水戸会場(ワークショップ)

事業名
蓮沼昌宏ワークショップ「つくろう! クルクルアニメーション」 and DOMANI @水戸
(「佐藤雅晴 尾行―存在の不在/不在の存在」展関連プログラム)
会期
ワークショップ 2021年10月、12月
上映会 2022年1月
会場
水戸市内の小中学校、水戸芸術館現代美術ギャラリー
主催
文化庁、公益財団法人水戸市芸術振興財団
作家
蓮沼昌宏(作家HP
1981年生 現代美術【2016年度(1年研修) ドイツ/フランクフルト】
*【 】は文化庁新進芸術家海外研修歴

展覧会名、会期等は2021年9月13日段階の暫定的な情報で、今後、コロナ禍等の進展状況によっては変更の可能性があります。
最新情報は当ホームページで紹介してまいります。