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1月12日 イベントレポート[石内都×千早茜(小説家)]

1月12日(日)に石内都さんと千早茜さん(小説家)のアーティストトーク「からだと風景の傷をめぐって」が開催されました。

トーク内容を抜粋したレポートです。

対談が決まったきっかけは、ちひろ美術館で開催中のカタログの執筆をお願いしたこともあり、千早さんの最新作の『神様の暇つぶし』を読んで、写真家をしっかりと書いていること、これまでの小説で傷跡のテーマを持っていること、また、食べることをきちんと書く人だということで、対談のお相手に決めました。

「Scars」の写真は40代のころから始めました。
最初は同い年の学生の「手と足」をテーマに撮影をしていました。その中には、傷がある人もいました。「手と足」には、40年間の時間の経過がどこかにあるかなと思っています。なぜなら、「手と足」は外に向いている、一番空気に触れているから。「顔」もテーマの中に入れていましたが、「顔」は情報が多すぎて、「手と足」とは合わなかった。女性だけでなく、男性の「手と足」も撮影していましたが、男性のものは表情がなく、つまらなかった。そこでヌードを撮影した時に、大きな傷があり、男性が傷についての話をしてくれて、傷には物語がある、とても大きな意味があるものだと感じました。傷は、古い写真に似ていて、思い出がいっぱいあり、歴史が傷に残っていると思いました。

傷を持っている人をどのように探すのですか?(千早さん)
会場で「傷がありますか?」と聞いて探していた。

今回の作品を展示に選んだ理由は、大きなテーマが「風景の傷」とキュレーターの明確なコンセプトによるものです。
1枚だけプリントし直したものがあり、それは沖縄の女性の傷です。アメリカ人が、船から陸に大砲を発射し、戦争の始まりを告げた時の傷です。

風景写真(横須賀)撮った後、スランプになりました。目に見えない気持ち、溜まった澱を吐き出し、言葉にできないものをプリントできたからです。それから40代になり、「手と足」に出合い、再び撮りはじめました。