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1月18日 イベントレポート[青山悟(アーティスト)×鬼頭早季子(トーキョーアーツアンドスペース学芸員)]

青山悟さん、鬼頭早季子さんをお迎えして、「佐藤雅晴尾行」のトークが開催されました。

佐藤さんについて、略歴を追いながらトークを進めていきました。

佐藤雅晴さんは、1973年10月生まれ。
高校から美術に特化した学校に進学し、一浪をして東京藝術大学に進学をしました。

青山悟さんが佐藤さんと出会ったのは、2012年にセルビアで佐藤さんを含めて3人展があり、そこで知り合い、同い年(1973年生)で海外研修の経験があり、「海外で出会った人は仲良くできるよね」ということで、友達になりました。

1999年にドイツのデュセルドルフに住み始め、アカデミーに研修生として在籍しました。
その時、初めて制作した作品が今回展示されている「I touch Dream #1」の作品です。
木炭で制作された3分間の作品です。これは、佐藤さんが実際に見た夢が映像化されています。

2003年に大垣美穂子さんと出会い結婚。大垣さんが持っていたパソコンを使用して初めてアニメーションの制作を始めました。初めは商業アニメーターに就職しようと思って制作していました。

2019年にトーキョーアーツアンドスペースで3人展「ACT Vol. 1“霞はじめてたなびく”」が開催されました。その時に企画を担当されたのが、鬼頭早季子さんです。
2018年2月に打ち合わせに行った時に、福島を取材していて「福島尾行」の構想があるので、モニターと自動演奏ピアノを用意して、演奏は福島の方にお願いしてください、ということでした。その時期から抗がん剤治療を週1回受けることになり、どのぐらい出来るか分からないが、ぜひ挑戦したいとのことでした。
自分が癌であるということと、3.11の原発事故があったということは本当に強く結ばれていて、7年後に福島の状況を作品を通して伝えたいということをずっとおっしゃっていました。

「尾行」と「トレース」の言葉をあらためて調べると
「尾行」は、後をつける、警察官が容疑者の後ろをつける。「トレース」は、たどる、図面を書き写すなど。この2つの言葉のきっかけは、2014年、友人のグラフィックデザイナーの杉原さんが佐藤さんの作品を見て「誰かを尾行しているみたいだね」と話したことからでした。

「トレース」は、描くことに頭を悩ませてどうやって描こうかとしたとき、トレースの行為を始めました。自分が対象を描くことを、ある種機械的描くことによって、あらためて描くということができました。